標準 情報・IT 学習時間の目安:約14分

暗号化:内容を読めない形に変えて、鍵を持つ人だけが戻せる

🔑 一言でいうと

暗号化は、内容を決まった規則で読めない形に変えることです。元に戻すにはが必要で、鍵の配り方によって2種類あります。共通鍵暗号は閉めるのと開けるのが同じ鍵(速いが、鍵を安全に渡すのが難しい)。公開鍵暗号閉める鍵(公開鍵)と開ける鍵(秘密鍵)が別なので、鍵を公開しても安全です。https はこの2つを組み合わせています。

このページで学べること

  • 暗号化が何を守るのかわかる
  • 共通鍵暗号と公開鍵暗号の違いがわかる
  • httpsで守られる範囲・守られない範囲がわかる
  • 簡単な暗号を自分で作れる

前提知識

まずは簡単な暗号で考える

💡 シーザー暗号

アルファベットを決まった数だけずらす暗号です。3つずらすと A→D、B→E、C→F。この「3」がにあたります。CAT → FDW

受け取った人は同じ「3」を知っていれば、3つ戻して元の文に復号できます。これは共通鍵暗号の考え方そのものです。速くて簡単ですが、鍵そのものを相手にどう渡すかという問題が残ります。鍵を盗まれたら、暗号の意味がなくなってしまいます。

そこで考えられたのが公開鍵暗号です。南京錠を配るイメージで理解できます。誰でも使える「開いた南京錠(公開鍵)」を配っておき、送り手はそれで箱を閉めて送る。開けられるのは鍵を持つ受け取り手だけ(秘密鍵)。鍵を渡す必要がないので、初めての相手とも安全にやりとりできます。

実際の https では、まず公開鍵暗号で「共通鍵」を安全に共有し、そのあとは速い共通鍵暗号で本文をやりとりします。相手が本物かどうかは電子証明書で確認します。

共通鍵:閉める鍵 = 開ける鍵 / 公開鍵:閉める鍵 開ける鍵

図でイメージする(公開鍵は南京錠を配る)

① 受け取り手が公開鍵を配る(誰が見てもよい)
送り手公開鍵で閉める ② 送る 🔒 暗号文のぞかれても読めない ③ 届く 受け取り手秘密鍵で開ける
開けられるのは秘密鍵を持つ受け取り手だけ。途中でのぞかれても読めません。鍵を渡さずにやりとりできるのが公開鍵暗号の利点です。

例題(くわしい手順)

シーザー暗号(3つずらす)で DOG を暗号化します。

🧭 手順
  1. 1文字ずつずらす:D → E → F → G
  2. 同じように:O → P → Q → R。G → H → I → J
  3. 並べる:暗号文は GRJ

復号は逆に3つ戻すだけ(G→D、R→O、J→G)。ずらす数がわかると簡単に破られるため、実際の暗号ではもっと複雑な計算を使います。

共通鍵暗号と公開鍵暗号の違い

共通鍵暗号と公開鍵暗号の違い
くらべること共通鍵暗号公開鍵暗号
閉めると開けるが同じ閉める(公開鍵)と開ける(秘密鍵)が
鍵の受け渡し安全に渡すのが難しい公開してよいので簡単
処理の速さ速い遅い
使いどころ本文の暗号化共通鍵の受け渡し・電子署名

https は「公開鍵で鍵を渡し、共通鍵で速く通信する」という両方の良いところを使う方式です。

よくある間違い

⚠️ 間違い①:httpsなら相手も安全だと思う

https が守るのは通信の中身だけです。偽サイトでも https は使えます。鍵マークがあっても、ドメイン名が本物かを必ず確認しましょう(情報セキュリティ)。

⚠️ 間違い②:公開鍵は秘密にしないといけないと思う

公開鍵は公開してよい鍵です。秘密にするのは秘密鍵だけ。ここを逆にすると、公開鍵暗号の利点がなくなります。

⚠️ 間違い③:暗号化とパスワードを同じものと考える

パスワードは本人かどうかを確かめるためのもの、暗号化は内容を読めなくするためのものです。目的が違うので、両方が必要です。

練習問題

まず自分で解いてから解説を開きましょう。

基本1

シーザー暗号で3つうしろにずらすとき、CAT はどう暗号化されますか。

次から選びましょう

解答・解説を見る

答え:FDW

C→F、A→D、T→W と、それぞれ3つずらします。

アルファベットを決めた数だけずらすのがシーザー暗号です。Z を超えたら A に戻ります(Y+3=B)。規則が分かれば戻せるので、現代の暗号としては使いません。

基本2

共通鍵暗号のいちばん大きな課題は何ですか。

次から選びましょう

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答え:鍵を安全に相手へ渡すこと

同じ鍵を共有する必要があるため、その受け渡しで盗まれると暗号の意味がなくなります。公開鍵暗号はこの問題を解決します。

応用

公開鍵で暗号化されたデータは、何を使えば元に戻せますか。

次から選びましょう

解答・解説を見る

答え:対応する秘密鍵

公開鍵で閉めたものは秘密鍵でしか開けられません。だから公開鍵は誰に配ってもかまいません。

応用2

ブラウザの鍵マーク(https)は何を保証していますか。

次から選びましょう

解答・解説を見る

答え:通信が暗号化されていること(+証明書で相手のドメインが確認されていること)

保証されるのは通信路の安全とドメインの確認までです。そのサイトが誠実であることは保証しません


よくある質問

Q. 暗号化とは何ですか?

内容を決まった規則で読めない形に変えることです。元に戻す(復号する)には鍵が必要で、鍵を持たない人には意味のわからないデータになります。

Q. 共通鍵暗号と公開鍵暗号の違いは何ですか?

共通鍵暗号は閉めるのと開けるのが同じ鍵で、速い代わりに鍵の受け渡しが難しいです。公開鍵暗号は閉める鍵(公開鍵)と開ける鍵(秘密鍵)が別なので、鍵を公開しても安全にやりとりできます。

Q. httpsなら安全だと言えますか?

通信の中身は暗号化されますが、サイト自体が安全とはかぎりません。偽サイトもhttpsを使えるため、ドメイン名が本物かどうかの確認が欠かせません。

Q. 共通鍵暗号と公開鍵暗号はどちらが速いですか?

共通鍵暗号のほうが速いです。実際の通信では「公開鍵で共通鍵を安全に渡し、そのあとは共通鍵で速くやりとりする」という組み合わせが使われます。

次に学ぶ内容

📚 参考・監修方針

高等学校「情報I」および基本的なIT知識の範囲を参照し、オリジナルに作成(実在試験問題の転載はありません)。正確性は編集・監修フローで確認しています(仕様書 第11章)。

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