不等式:解は「範囲」になり、負の数でわると向きが変わる
不等式は「=」ではなく大小を表す式で、解は1つの数ではなく範囲になります。解き方は方程式とほぼ同じですが、負の数でかける・わるときだけ不等号の向きが変わります(−3x≧9 なら x≦−3)。数直線では、含む(≦・≧)は●、含まない(<・>)は○で表します。
このページで学べること
- 4つの不等号の意味がわかる
- 不等式を解いて範囲で答えられる
- 負の数でわると向きが変わる理由がわかる
- 数直線に解を表せる
前提知識
不等号と、解くときのルール
- x > 3:3より大きい(3は入らない) / x ≧ 3:3以上(3が入る)
- x < 3:3より小さい(3は入らない) / x ≦ 3:3以下(3が入る)
不等式には次の性質があります。両辺に同じ数をたす・ひくときは向きは変わりません。正の数でかける・わるときも変わりません。しかし負の数でかける・わるときだけ、不等号の向きが反対になります。
理由は具体的な数で確かめられます。2 < 5 は正しい式です。両辺に −1 をかけると −2 と −5 になりますが、数直線では −2 のほうが右(大きい)なので −2 > −5。たしかに向きが入れかわりました。
解く手順は方程式と同じで、①文字の項を左辺・数を右辺に集める ②文字の係数でわる、の2段階です。3x−5 < 7 なら 3x < 12、x < 4となります。
両辺に 負の数 をかける・わるとき → 不等号の向きを反対にする図でイメージする(数直線と●○)
x > 2
○=2は入らない
x ≦ 2
●=2も入る
例題(くわしい手順)
1個150円のりんごを何個か買います。1,000円で買えるのは最大何個ですか。不等式を使って求めます。
- 式を作る:個数を x とすると、代金は 150x 円。1,000円以内なので 150x ≦ 1000。
- 両辺を150でわる:150は正の数なので向きはそのまま。x ≦ 1000÷150=6.66…。
- 意味に合わせる:個数は整数なので、x ≦ 6.66… を満たす最大の整数は6個。
確かめ:6個なら 900円で買えますが、7個は1,050円で足りません。答えを「個数」として意味の通る形に直すまでが解答です。
方程式と不等式の違い
| くらべること | 方程式 | 不等式 |
|---|---|---|
| 記号 | = | >・<・≧・≦ |
| 答えの形 | 数(例:x=4) | 範囲(例:x < 4) |
| 負の数でわるとき | そのまま | 不等号の向きが変わる |
| 使う場面 | ちょうどの値を求める | 「〜以内」「〜以上」の条件を求める |
解く手順は同じなので、方程式が解ければ不等式も解けます。注意点は「向きが変わる場合」だけです。
よくある間違い
−2x < 6 の両辺を −2 でわると x > −3。x < −3 としてしまうと、範囲が正反対になります。
「3以上」は 3 を含むので x≧3(数直線は●)。「3より大きい」は 3 を含まないので x>3(○)です。
不等式の答えは範囲です。x < 4 なら 3 も 0 も −5 も当てはまります。ただし個数や人数の問題では、最後に整数へ直します。
練習問題
まず自分で解いてから解説を開きましょう。
x + 3 > 7 を解きなさい。
解答・解説を見る
答え:x > 4
両辺から3をひくと x > 4。たし引きでは向きは変わりません。
−3x ≧ 9 を解きなさい。
解答・解説を見る
答え:x ≦ −3
両辺を −3 でわります。負の数でわるので向きが反対になり、x ≦ −3 です。
2x + 1 ≦ x + 5 を解きなさい。
解答・解説を見る
答え:x ≦ 4
x を左辺、数を右辺に集めます。2x−x ≦ 5−1 より x ≦ 4。負の数でわっていないので向きはそのままです。
1個150円のりんごを、1,000円以内で最大何個買えますか。
解答・解説を見る
答え:6個
150x ≦ 1000 より x ≦ 6.66…。個数は整数なので6個(900円)。7個は1,050円で予算を超えます。
よくある質問
Q. 不等号の向きが変わるのはどんなときですか?
両辺に負の数をかけるか、負の数でわるときだけです。2<5 の両辺に−1をかけると −2>−5 になるように、大小が逆転するためです。たし算・ひき算では変わりません。
Q. 「≦」と「<」の違いは何ですか?
≦は「以下」でその数を含み、<は「より小さい」でその数を含みません。数直線では含むときは●、含まないときは○で表します。
Q. 不等式の答えはどう書けばよいですか?
x<4 のように範囲で書きます。個数や人数を求める問題では、最後に「最大6個」のように意味の通る整数に直して答えます。
Q. 「以上」「以下」「より大きい」「未満」はどう使い分けますか?
「以上・以下」はその数を含み(≧・≦)、「より大きい・未満」は含みません(>・<)。「12歳以上」は12歳が入り、「12歳未満」は入りません。
次に学ぶ内容
小学校算数〜中学数学の範囲を参照し、オリジナルに作成(実在試験問題の転載はありません)。正確性は編集・監修フローで確認しています(仕様書 第11章)。