標準 算数・数学 学習時間の目安:約13分

不等式:解は「範囲」になり、負の数でわると向きが変わる

🔑 一言でいうと

不等式は「=」ではなく大小を表す式で、解は1つの数ではなく範囲になります。解き方は方程式とほぼ同じですが、負の数でかける・わるときだけ不等号の向きが変わります(−3x≧9 なら x≦−3)。数直線では、含む(≦・≧)は●、含まない(<・>)は○で表します。

このページで学べること

  • 4つの不等号の意味がわかる
  • 不等式を解いて範囲で答えられる
  • 負の数でわると向きが変わる理由がわかる
  • 数直線に解を表せる

前提知識

不等号と、解くときのルール

💡 4つの不等号
  • x > 3:3より大きい(3は入らない) / x ≧ 3:3以上(3が入る)
  • x < 3:3より小さい(3は入らない) / x ≦ 3:3以下(3が入る)

不等式には次の性質があります。両辺に同じ数をたす・ひくときは向きは変わりません。正の数でかける・わるときも変わりません。しかし負の数でかける・わるときだけ、不等号の向きが反対になります。

理由は具体的な数で確かめられます。2 < 5 は正しい式です。両辺に −1 をかけると −2 と −5 になりますが、数直線では −2 のほうが右(大きい)なので −2 > −5。たしかに向きが入れかわりました。

解く手順は方程式と同じで、①文字の項を左辺・数を右辺に集める ②文字の係数でわる、の2段階です。3x−5 < 7 なら 3x < 12、x < 4となります。

両辺に 負の数 をかける・わるとき → 不等号の向きを反対にする

図でイメージする(数直線と●○)

x > 2

0 2 4

○=2は入らない

x ≦ 2

0 2 4

●=2も入る

「2より大きい」は2をふくまないので白丸、「2以下」は2をふくむので黒丸で表します。

例題(くわしい手順)

1個150円のりんごを何個か買います。1,000円で買えるのは最大何個ですか。不等式を使って求めます。

🧭 手順
  1. 式を作る:個数を x とすると、代金は 150x 円。1,000円以内なので 150x ≦ 1000
  2. 両辺を150でわる:150は正の数なので向きはそのまま。x ≦ 1000÷150=6.66…。
  3. 意味に合わせる:個数は整数なので、x ≦ 6.66… を満たす最大の整数は6個

確かめ:6個なら 900円で買えますが、7個は1,050円で足りません。答えを「個数」として意味の通る形に直すまでが解答です。

方程式と不等式の違い

方程式と不等式の違い
くらべること方程式不等式
記号>・<・≧・≦
答えの形数(例:x=4)範囲(例:x < 4)
負の数でわるときそのまま不等号の向きが変わる
使う場面ちょうどの値を求める「〜以内」「〜以上」の条件を求める

解く手順は同じなので、方程式が解ければ不等式も解けます。注意点は「向きが変わる場合」だけです。

よくある間違い

⚠️ 間違い①:負の数でわって向きを変えない

−2x < 6 の両辺を −2 でわると x > −3。x < −3 としてしまうと、範囲が正反対になります。

⚠️ 間違い②:「以上」と「より大きい」を混同する

「3以上」は 3 を含むので x≧3(数直線は●)。「3より大きい」は 3 を含まないので x>3(○)です。

⚠️ 間違い③:解を1つの数だと思う

不等式の答えは範囲です。x < 4 なら 3 も 0 も −5 も当てはまります。ただし個数や人数の問題では、最後に整数へ直します。

練習問題

まず自分で解いてから解説を開きましょう。

基本1

x + 3 > 7 を解きなさい。

次から選びましょう

解答・解説を見る

答え:x > 4

両辺から3をひくと x > 4。たし引きでは向きは変わりません。

基本2

−3x ≧ 9 を解きなさい。

次から選びましょう

解答・解説を見る

答え:x ≦ −3

両辺を −3 でわります。負の数でわるので向きが反対になり、x ≦ −3 です。

応用

2x + 1 ≦ x + 5 を解きなさい。

次から選びましょう

解答・解説を見る

答え:x ≦ 4

x を左辺、数を右辺に集めます。2x−x ≦ 5−1 より x ≦ 4。負の数でわっていないので向きはそのままです。

応用2

1個150円のりんごを、1,000円以内で最大何個買えますか。

解答・解説を見る

答え:6個

150x ≦ 1000 より x ≦ 6.66…。個数は整数なので6個(900円)。7個は1,050円で予算を超えます。


よくある質問

Q. 不等号の向きが変わるのはどんなときですか?

両辺に負の数をかけるか、負の数でわるときだけです。2<5 の両辺に−1をかけると −2>−5 になるように、大小が逆転するためです。たし算・ひき算では変わりません。

Q. 「≦」と「<」の違いは何ですか?

≦は「以下」でその数を含み、<は「より小さい」でその数を含みません。数直線では含むときは●、含まないときは○で表します。

Q. 不等式の答えはどう書けばよいですか?

x<4 のように範囲で書きます。個数や人数を求める問題では、最後に「最大6個」のように意味の通る整数に直して答えます。

Q. 「以上」「以下」「より大きい」「未満」はどう使い分けますか?

「以上・以下」はその数を含み(≧・≦)、「より大きい・未満」は含みません(>・<)。「12歳以上」は12歳が入り、「12歳未満」は入りません。

次に学ぶ内容

📚 参考・監修方針

小学校算数〜中学数学の範囲を参照し、オリジナルに作成(実在試験問題の転載はありません)。正確性は編集・監修フローで確認しています(仕様書 第11章)。

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